2017年6月6日火曜日

体心立方、面心立方格子について



高校の化学で体心立方、面心立方、六方最密格子について学び、例えば単位格子や、その中の原子数などを教わる。大学入試や模擬試験で出題されたりする。が、単位格子の選び方は色々あるので注意が必要だ。左上は体心立方構造だが、高校の教科書では最小立方体8個分を単位格子と教え、8立方体の3本の直交辺を基本ベクトルにとる。この場合単位格子は2個の原子を含む。
空間格子を14種類に分類するブラベー格子というのがあるが、上述はその一例である。

他方右上のように単位格子を選び、左上の3ベクトルを基本ベクトルに取る事も出来る (R. M. Martin, Electronic structure, Cambridge University Press, 2004, p.76)。この場合単位格子は1個の原子を含む。右上単位格子は、等価な最近接原子との二等分面で囲まれた領域で、Wigner-Seitz cellと呼ばれる。つまり、「体心立方格子の単位格子は、何個の原子を含むか」という問いには、正解が無いと思われる。

同じ事が面心立方格子にも言える。左下の8立方体が高校教科書で教わる単位格子で、4原子を含み、ブラベー格子の一例である。他方右下はWigner-Seitz cellで1原子を含む。
充填率については、どの格子で計算しても同じ値を与える。







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