2019年7月22日月曜日

通学/通勤に適した読書

ウォール街のランダム・ウォーカー バートン・マルキール(日本経済新聞社)
つき合い方の科学 R. アクセルロッド(ミネルヴァ書房)

2017年12月18日月曜日

研究と教育の間

私が働いている大学は、旧帝大なので「世界的な研究拠点」を目指す大学だろう。自分の人生を有意義にしたいと考える学生にとって、世界的な研究拠点を目指す事は、彼/彼女の目的に合うだろうか。最先端の仕事を比較的短時間に行う必要がある今日では、教員が自分の専門とする狭い分野で、続きものの研究をする事になりがちだ。この狭い専門分野は、会社で働く際に役に立つとは限らず、むしろ基礎研究に近い場合は、知的訓練のメニューとしか役立たない場合が多かろう。基礎研究は、これまでも社会の贅沢品というか、今は役立たない先行投資だった訳だし。

では逆に、今社会に出て役立つ最先端の仕事を大学でやる、というのも難しいだろう。これは企業の研究所が力を入れてやっており、同種の事をやる必要は無い。産業に役立つ研究を勧める流行は、この狭間を埋める努力と見なせるが「社会ですぐ役立つ」と「最先端」の両立は難しい。

1年又は2年働いてくれる指導学生は、教員にはありがたい。研究にはどう工夫しても、相当な単調作業があるが、 学生はこれをやってくれる。しかし、学生の希望である「社会で役立つ」と、各教員ができる「最先端の仕事」には、かなりの解離がある。卒業研究として普通は、研究室で積み重ねてきた研究の継承と発展、をやる事になる。もし「社会で役立つが最先端でない」と「社会で(今)役立たないが最先端の仕事」を学生が選ぶ事になったら、後者になるだろう。

1教員が多数の学生を指導する例を傍から見ると、学生達のテーマは殆ど同じに見える。修士論文の発表会では「これ昨年聞いた」とか「前の人と同じネタを違う風にやった」例を良く見る。恒常的に研究室を運転するには、計画的にテーマ、研究発表、論文を生産せねばならないからだ。最先端で成功の見込みの高いテーマを探すのは難しく、それらを毎年例えば3名の学生に与えるのは、私には難しい。続きものなら出来ると思うが。

「簡単でおいしい」事は既に誰かがやっているため「ぎりぎり出来る所」を狙うので、失敗しながら進める事になる。で3つの解決案が考えられたとして
(1) これを3人の学生に試させる
(2) 1人の学生に順に試させる
(3) 教員が予備検討をして、有望なものを1人の学生に試させる
私は(3)でありたいと思っているが、(1)を疑う例を見かける。これは教員の能力不足を学生に補填させることではないか、と疑っている。



Kernel Power 41病

主に使っているノートパソコン Toshiba dynabook SS RX2が、スリープから復帰後に再起動するようになった。Kernel Power 41病というらしい。
イベントビューアを見るとsemantic antivirusのdllで不都合が起きていたようなので、アンインストールし、代わりにWindows defenderを使ったが、効果は無かった。
Windows updateをして、最新の状態にしたが、効果は無かった。
ディスプレイアダプタのドライバを最新に更新したが、効果は無かった。
次にデバイスマネージャーからwake up on LANが出来ないように設定をした。類似の設定がBIOSにもあるようだ。
イベントビューアを見ると最初にこれが起きたのは、2016年12月24日のようだ。Webで同種の不具合が報告されている。
https://freesoft.tvbok.com/win10/sleep_disorders_problems.html
しかしここに書いてある方法は、私のには効果が無かった。

イベントビューアの情報から原因を知る事が出来ないのが問題だ。そこで
http://www.accessgames-blog.com/blog/2012/07/kernel-power41-.html
に従って、minidumpが保存されるようにした。しかし私の場合は保存されなかった。しかもイベントビューアのEventDataは全てゼロ。

問題がソフトかハードか見分けるために、リカバリーでソフトを初期状態に戻した。まずユーザーデータのあるDドライブをバックアップした。次にCドライブ全体をDドライブにコピーした。これには回復ツールとコマンドプロンプトで起動し、
xcopy D:\ C:\ /O/X/E/H/K/c/B
をやった。回復ツールとコマンドプロンプトでは、なぜかCドライブとDドライブが入れ替わっていた。最後に
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/0905/15/news111.html
に従ってbcdeditでブートメニューを書き換え、コピーしたDドライブから起動できる事を確かめた。この状態から、Cドライブにソフトをリカバリーした。付属officeもインストールし、Windows updateをして様子を見た。

夜の間にsuspendになったので、早朝起こすと、少しして電源が切れた。つまり私の場合
Kernel Power 41病はハードウェア(か避けられないwindows update)が原因のようだ。できる事が少ないと分かった。

2017年11月27日月曜日

Window7ミラー再同期中終わらない

データ保存用にWindow7で4TBのミラーディスク(RAID-1)を使っていたが、再同期が必要になった。
http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1101/06/news123_2.html に従って、ミラーの再構築を始めたが、5日経ても再同期が終わらない。しかも進展度(%)も表示されない。検索すると同じ症状の人が見つかった。

まず進展度(%)を確認する方法は https://serverfault.com/questions/107636/how-to-view-status-of-software-raid-1-resynching にある。
操作-ディスクの管理-他の操作-最新の情報に更新 をしても表示されなかった。
F5を押しても表示されなかった。
リソースモニターでディスク活動を見たが、「ファイル」と「書き込み」の欄からは、ミラーディスクに書き込まれていないように見える。

次に再同期させる方法が https://answers.microsoft.com/en-us/windows/forum/windows_7-performance/mirrored-volume-has-had-a-status-of-resynching-for/d8fc60a3-b85a-4f6c-bc5d-6ac86a1d9a15?auth=1 で議論されているが、これは!というものが無い。全データを外部driveにコピーして、ミラー(とそのデータ)を完全に削除して、空のミラーを作り、最後に全データをミラーに書き戻す方法があった。これなら働くだろうが知恵が無い。

https://support.microsoft.com/en-us/help/2913050/mirrored-raid-volumes-report-resynching-status-after-you-restart-windo によると、microsoftのhotfixを当てると、resyncの症状が現れることがあるようだ。
そこでregeditで HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\VSS\Settings 下に FreeSpacePreCopyPercentage と HotBlocksPreCopyPercentage を REG_DWORD 0 で作成した。

次に再同期中のディスク1をオフラインにした。その後再びオンラインにすると「異形式」となった。ここで一度再起動した。
イベントビューアーには、3週間前に\Device\Harddisk3\DR3でコントローラーエラーが4回記録されている。ディスク0-2が内蔵、3が外付けなので、これは外付に問題があったのだろう。

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1101/06/news123_2.html に従って、ミラーの削除を行った。
次に「異形式」のディスクを「形式の異なるディスクのインポート」「OK」を選択した。
http://nerino.at.webry.info/201412/article_1.html
するとディスク1は「エラー」と出た。コンピュータをシャットダウンして、念のため正常なディスク2を取り出して再起動したが、1日経ってもlogin画面が出ない。電源ボタンを長押しして切った。ディスク1が壊れているようだから、新しいディスクと交換して、ミラーの再構築をした。約1日で再構築したが、冗長の失敗(危険)と書かれており、ディスク2にエラーが出ている。

そこでCrystalDiskInfoでHDDのSMART情報を見た。Disk0とDisk2が注意、Disk1が正常だった。Disk0とDisk2では、代替処理保留中のセクタ数が1になっている。他方代替処理済のセクタ数は0である。これは注意が必要なのだろうか。
古いディスク1は、他の機械につないでも読み出すことはできなかった。完全に故障したようだ。
結局「これDo台Pro」を使い、新しいHDDに内容をコピーし、別の新しいHDDでミラーを構築し直した。

2017年8月22日火曜日

夏休み工作

長女の技術家庭科の宿題として、ロボット制作があった。具体的には、ロボットの駆動部分のみ授業で作ってあり、これにあうボディーを作るというものだ。駆動部分は、
http://portal.nifty.com/kiji/140513164102_1.htm
のように、4個のモータ軸が直接床に接触するタイプで、全長10cmになる。ロボットというより車である。何を使って作っても良いが、学校から支給されたのはボール紙1枚だ。娘の友人はこれで車体を作り、折り紙で飾りつけしたようだ。

小学校の図画工作はやめて、 娘と相談して、アクリル板でロボットらしい体を作り、それにLEDをはめ電飾する事にした。技術家庭科で作った無安定マルチバイブレータ回路で、電飾を点滅させる事を考えたが、むしろリング発振回路で3色のLEDを光らせる事にした。参考にしたのは
http://www.e-ele.net/3Tr3LED_Flasher.html
http://ncp.silk.to/usadtc/radio/07flash/02.htm
http://rtmrw.parallel.jp/led-work/transistor/transistor-6/transistor-6.htm
である。
部品は手持ちのジャンクパーツから探した。我が家では、100均で買った古い玩具を分解したり、古い家電を分解して取り出したものをためてある。5mm方眼紙で部品配置を考え、ユニバーサル基板に組み立ててもらった。LEDは、赤、橙、緑各4個に増やした。トランジスタには8050を使った。配線方法は
http://www.murata.com/ja-jp/campaign/ads/japan/elekids/ele/craft/knack/universal
を参照。


娘が最初に組み立てた回路は発信しなかった。良く調べると、3個の8050のうち1個だけ、端子の出方が違っていた。これを直すと発振した。

また同じ色に見えるLEDでも半導体が異なるものがあるようで、並列つなぎにした時光らないものがあった。そこで並列つなぎできる組み合わせを探した。

困ったのは電源だ。右または左用のモータ端子から取り出せば良いが、前進と後退で+-3Vと極性が反転する。ダイオードブリッジで整流すると、1V以上電圧が下がるので、LEDは点灯しない。案としては
(1) 半波整流で2.3Vとして、 百均で手に入る昇圧回路を使う。前進時のみ光る。昇圧回路への改造は
http://www.kansai-event.com/kinomayoi/koneta/dcdc2.html
http://airvariable.asablo.jp/blog/2009/11/08/4683348
と色々見つかる。が入力電圧がぎりぎりだ。とりあえず
セリアで、シガーソケット->USB変換器を購入して分解して改造した。まだ動作チェックしていない。
(2) ダイオードブリッジで整流し1.6Vとして、これを昇圧する。ロスが多いし昇圧回路が安く手に入らない。
(3) 半波整流せず、入力を逆電圧で加えたらどうなるだろう。
ダイソーの乾電池式モバイルバッテリー
http://blog.livedoor.jp/luoeng/archives/50031378.html
(100円)で試した。電池を逆に入れると、電池と電極間に僅かな隙間ができて通電しない。ここを短絡すると、ICが発熱して香ばしい匂いがした。逆電圧は保護されないようだ。

昇圧回路は娘には難しいので、別の電池を積むことにした。まず軽いボタン型リチウム電池CR2032を使ったら、電流不足(電圧降下)で緑LEDがつかなかった。そこでシャーシに収まるサイズで電圧4.5Vを得るため、単6電池3本を使う事にした。
セリアで9V電池を購入し
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/1525/6LR61/
にあるように分解して貰うと、6本の電池が手に入った。電源スイッチがいる。

その他のアイデアとして、
(a) ダイソーで買った、7色発光LED2球(100円)をボディにつける。
(b) マイクロスイッチをボディ前後左右に計4個つけ、接触センサーとする。これをタイマー回路につなぎ、リレーを使ってモータを反転させる。これはちょっと凝りすぎだろうか。



2017年7月13日木曜日

雑感7/13-教育について

大学では、教育、特に他学部向けの教養教育は評価されない。私達は数年毎に業績発表と評価を受けるのだが、そこでは研究成果を発表する。教育には相当の準備や工夫が必要だが、それを成果として発表する事は無い。一つには、ここが研究に力を入れている大学だからだろう。また、研究成果はpeer reviewにより研究の質を一応測る訳だが、教育については、学生のアンケート以外に定量化する指標は無い。学生は授業内容の専門家ではないので、教員の熱意は分かるが、授業内容の良悪は分からないだろう。また研究成果は、主に研究者とその環境という分かり易い要因で決まるが、教育成果は経験上、受ける学生の素質や興味に大きく左右されると思う。

そんな訳で教養教育を進んで引き受ける大学人は少ない。実際、担当授業数は各学部に割り当てられ、各学部組織に変化があっても、担当数を変える事は事実上不可能だ。自分の学生を他学部に教育させる仕組み、が現在でも残っているが、この既得権益を手放そうとはしない。自分達の担当授業数は少ないのにだ。他人に教育させて、自分は研究した方が評価される、のがこの大学の仕組みである。教養教育を統括する組織はただの事務組織となり、権限は殆どない。

教科書を書くことはどうだろう? 図書館では良く似た教科書が多数あるせいで私は食傷気味だ。授業では何を教えないかも大事だが、薄すぎる本は経済的に成り立たないだろう。既にある名著の「まとめサイト」でしかないかもしれない。
研究費をいくら獲得したかも重要視される。これはまず発表論文数によるので、人的資本つまり研究室の規模が大きく左右する。実験研究室で負の連鎖に陥ると、脱出が難しい事が想像できる。理論ではまだましだが。別のやり方としては、研究仲間を増やし、発表論文でお互いを著者に入れる、という互助会を作る事が考えられる。これは妥当な場合から倫理上問題な場合まで、色々ある。悪い事に、業績水増し互助会を発表論文から見破るのは簡単ではない。内容に比べて著者数の多い論文を見ると、これを連想する。

大学の運営には大事な雑務が色々ある。不要な事はやらなくて良いが、きっちりやるべき事を他人任せにするのはどうかと思う。

自分は何を残す事になるのか。
そんな事を考える余裕はあるのか。

雑感7/13-研究について

企業などとの共同研究では、データを独占的に提供して貰える訳だが、その研究をどう感じるか。データ解析の新しい方法を示せれば良いだろう。だが新規性は?既にされた事でも、公開されておらず、結果を公開したなら、意義があるだろう。だがそれは自分がやりたい事か?例えば植物生育や部品組み立ての物理について勉強して、データ解析をしたいか?それが自分に向いていないだろうことは分かる。データ解析の一般的で新しい方法を見つけるのは、良い情報の研究だろう。がこれは難しい。それが応用できればなお良い。これらは残る研究だと思う。
既存の手法を実学に応用する事が期待されており、また学生には良い練習になるのも事実である。とは言え公開されたデータでは、研究としての差が出難い。その場合データで新規性を保証するしかない。
 データを解析する良い方法は問題によるだろう。問題の背景を学んだ上でやるのが望ましいが、色々試して選ぶ事も出来るかもしれない。
学習とは結局データのfitの事か?CNNによる画像分類は、背後の機構を良く把握していたのだろう。 これには物理は無いが良い研究だろう。NIPSの発表でも、面白いものとそうでないものは分かる。